ヒトの遺伝子検査の実際
特定の遺伝子を増やすPCR法(2)
特定の遺伝子を増やすPCR法(2)

遺伝子検査に不可欠なPCR法の原理を簡単に説明してみましょう。
PCR法はRNAも用いますが、今回はDNAを対象に説明します。
DNAは、2本鎖の安定なはしごの様に塩基が結合しています。
このDNAに90℃以上の熱を加えると塩基の結合が離れて1本ずつ
になります。
この時点で、それぞれに2本に分かれた1本鎖のDNAのある特定の
塩基配列に結合する短い塩基配列のプライマーという20個ほどの
DNA断片のようなものを結合させます。
分かれた1本鎖のDNAにそれぞれ結合するプライマーはある一定の
温度で結合を始めます。
この反応はアニーリングと言ってプライマーに含まれている塩基の種類
によって反応温度が異なりますが、通常55〜60℃で結合します。
この時、それぞれのプライマーは前もって調べたいDNAの特定遺伝子
範囲を挟み込むように塩基配列を決定し、センスプライマー、アンチプラ
イマーの2種類のプライマーを作成します。
そして、この2種類のプライマーはポリメラーゼと言う酵素により72℃で
反応し、次々と反応液中の塩基を取り込んで伸びてゆきます。
これをPCRにおいて伸長と言います。
熱変性(94℃)→アニーリング(55〜60℃)→伸長(72℃)の1サイクル
で1本のDNAは2本のDNAになります。
つまり1サイクルでDNAは2倍に増幅します。