ヒトの遺伝子検査の実際
3-4.固形腫瘍の検査(乳がん遺伝子検査)
3-4.固形腫瘍の検査(乳がん遺伝子検査)

現在、乳がんは女性で急増している「がん」のひとつです。
一昔前までは子宮がんが多かったのですが、集団検診や子宮がんの早期発見の
ための様々な働きで現在では少なくなっています。
そして、子宮がんが減少した代わりに乳がんが急増しています。
(詳しくは厚生労働省の統計をご覧ください。)
乳がんは、まず最初に病理検査といって乳腺組織の一部を採取してその中に
がん細胞があるかどうかを検査します。
もしがん細胞が存在すればどのようながん細胞なのかを調べますが、この時に
遺伝子検査が行われることがあります。
乳がんの遺伝子検査では、病理検査の様に乳腺組織の一部を採取してガラス
上に貼り付けて前述のFISH法で乳がんの関連遺伝子を調べます。
乳がんでも様々なタイプがあり、現在では乳がんのHER2遺伝子が関与している
タイプでは、その遺伝子を狙い撃ちすることが出来る特殊な薬が効果的であること
が判っています。
そこで遺伝子検査をすることによって、この特殊な薬が効果的であるタイプである
かどうかを検査しています。
上図のようにFISH法を行うと、正常な乳腺細胞ではグリーンとピンクは2個ずつ
ですが、HER2遺伝子が異常を起こすタイプの乳がん細胞ではピンクを発光する
異常増殖を示します。(グリーンも増加する場合もあります)
判定には、蛍光顕微鏡で観察し、このグリーンとピンクの割合をカウントし、ある
一定の割合以上を示した場合にはHER2遺伝子が異常を起こしていると判断し
ハーセプチン(トラスツズマブ)が処方されます。
もちろんHER2遺伝子に異常を示さないタイプの乳がんは増殖を示しませんし、
ハーセプチン(トラスツズマブ)は有効ではありません。