ヒトの遺伝子検査の実際
3-2.造血器腫瘍の検査(白血病などの遺伝子検査)
3-2.造血器腫瘍の検査(白血病などの遺伝子検査)

では、具体的には慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病などの造血臓器の
「がん」は、どの様に遺伝子検査をしているのでしょうか?
この白血病の遺伝子検査には2通りの方法があります。
【FISH法】
白血病の疑いのある患者さんから造血臓器の一部を採取して、その組織を
固定、パラフィン包埋などの処理をしてガラス上に薄く切って貼り付けます。
直接、組織片をガラスに押し当ててガラス上に細胞を貼り付かせても可能。
そしてガラス上の病変細胞の核の中にある染色体(遺伝子)に蛍光物を
ハイブリダイゼーションの原理で結合させます。
それを蛍光顕微鏡を用いて観察すると
・正常ならばグリーンとピンクがほぼ同じところで発色します。
・白血病で、転座を起こしていると上図の様に離れて発色します。
(青色の楕円形は細胞核です)
この転座とは、上図の様に2種類の染色体の一部がお互いに異なって
結合してしまうことです。
【シークエンス法】
白血病の疑いのある患者さんから血液もしくは造血臓器組織の一部を採取します。
採取された血液や組織からてRNAを抽出します。
白血病では2種類の遺伝子がお互いに異なった遺伝子の一部と結合していますから
その結合部分を含むようにプライマーを設計し、その特定範囲をPCR法で増幅させます。
その増幅させた塩基配列の詳細をコンピュータと連動したシ−クエンサーを用いて正確
に塩基配列の順番を調べます。
上図のように転座がある場合には途中から違う遺伝子(DNA)の塩基配列が証明
されます。
このように、遺伝子検査を行うことにより転座が証明され、白血病の病型とその悪性度
などの詳細が判ります。
そして、その病気に最も適した治療方法が選択されます。